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『幸せが生まれ、鮮やかな色合いで輝く』ことを願う場所

読書感想文と思わせた雑記

TLに流れてきた記事の中に記載されていた『〈わたし〉はどこにあるのか――ガザニガ脳科学講義』を読んだんですが、面白かったです。

2010年に執筆されたようなので、現在の常識とはそぐわないところもあるかもしれないので、読むのは注意が必要なのかもしれないけど。
以下読書感想文みたいなものですが、正しく読めてる気は全くしないので、話半分で読んでねという予防線です。


脳の左半球の機能として、脳に入ってくるすべてのインプットに対して、状況と矛盾しない後付けの理由を本人が意識しないうちに拵える機能(作中ではインタープリターと命名)に関する話が特に興味湧きました。

 

私たちの主観的な自覚は、意識上に浮かんできた断片的な情報を説明しようとする左半球の飽くなき追求から生まれでている。「浮かんできた」と過去形で表現しているように、これは後づけの解釈プロセスだ。
インタープリターは、意識に入り込んできた情報からしかストーリーを紡ぐことはできない。意識は時間のかかるプロセスだから、意識にのぼったことはすべて過去のできごとだ。既成事実である。

 
これ、何らかの作品への解釈を自身が行ってる時のオタクの動きに似てますよね。
インタープリターの背景として、起こったことの説明や原因を知りたいというものがあるらしいので、考察だとかそういった部分とやっていることは同じなような気がします。

脳の機能としてオートで行われているので、自身がどうしてそのように判断したか聞かれても「なんとなく……」と「特に理由はない」となるため、何かしらの回答を出したときにこの言葉しか頭に浮かばなかった時は、インタープリタが何かをでっち上げた可能性が高いということになるのかな。
脳がインプットされた情報の整合性を取ろうとした結果の「わかんね」なので、もうどうしようもなくわからなかっただけな可能性もある?

なんにせよ私たちが意思としているもの、選択しているものはインタープリタが作り出したものであり、脳の動作として行われているものになる。
(感情も意識もなんもかんも結局はニューロンの発火。みたいな言説みたいもありますね)

あなたとは、中央指令センターを持たず、並列分散処理を行う脳なのである。あなたという装置に亡霊は入っていないし、謎の部分もない。
あなたが誇りに思っているあなた自身は、脳のインタープリターが・モジュールが紡ぎだしたストーリーだ。インタープリターは組み込める範囲内であなたの行動を説明してくれるが、そこからはずれたものは否定するか、合理的な解釈をこしらえる。

なんか「私という人間とは?」と考えてつらくなっている人に読ませたら、
死ぬか開き直るかのどっちかになりそうなテキストです。


読書感想文ではなく雑記としたのは、上記ではなく、ここから下の方が書きたかったからです。きっかけは作中のものですが、そこから先はまったく関係ないものとなるため雑記枠です。

道徳的な直観の正しさに関する話の際に出てきたものになります。
直観となるため、『理性の影響を受けて意識上で時間をかけて慎重に行われる評価プロセスは関与しない』とされています。

以下のような近親相姦がシナリオとして提示されます。長いので箇条書きます。

・ジュリーとマークは姉弟
・好奇心に駆られてセックスしてみようとなった
・ジュリーはピルを飲んでいて、マークは念のためゴムをつけた
・セックスは素晴らしかったけど、2人だけの秘密として二度とやらないと誓った
・二人の関係は以前より親密になった

が条件となっています。

話としては、みんなこのシナリオを読んで「気持ち悪い」「間違っている」と否定するので、根本的な理由を聞くと、大抵は近親交配は奇形児が生まれるとか、お互いの感情にしこりが残るという回答が返ってくる。でもこれらはシナリオ内で既に解決している。
結局最終的な答えとして「よくわからないし、説明もできないけど、まちがっている」になるというものです。

私がこれ読んだ感想は「内なるオタクが力強くYES!!!!と叫んでいて、ぶっちゃけそこまで忌避感覚えない」というものでした。
なんならきっちり避妊してるし、2人でハッピーな結末迎えてるんだから、何を忌避する必要がある????とまでオタクが言っています。

私が好きなえろげの小ネタとしてこんなものがあります。

Q、妹とのセックスまじでねーのか?常識で考えたら、妹とやれないってどう考えてもおかしいんだけど
A、※普通妹とセックスしません

オタクの常識、特にえろげオタの常識では妹は攻略対象であり、普通はセックスするんですよね。それこそヨスガにソラってろという感じで、むしろある意味推奨されているまである気がします。
話逸れますが、あの世界では近親相姦による奇形児の誕生という可能性は排除されているんだろうか。既プレイ作品の近親相姦ある作品で子供生まれるところまで描いてる作品はなかった気してきました。

じゃあ近親相姦大好きなえろげオタクが、リアルに対しても「近親相姦最高!」となっているかというと、たぶんそんなことはないはずで。……確実にリアルでも思ってる人いるけど、今回はちょっと置いておくとして。

なんで上記シナリオを読んでも忌避感覚えないのかというと、たぶん物語内であればどういった行為が行われていても自由であり、実際に問題があると感じるにはリアルさと身近さ(顔と名前を知っている等)が必要なのかなと思いました。

オタクはリアルに弱いので、なんならヒロイン名が母親と同じだと萎えるとか、姉の名前だと萎えるとかそういった事例も発生します。
逆に言うと、そんだけ身近じゃなければ、オタクの性癖は崩せない。

人間が先天的に持つ忌避感を乗り越えるどころか、忌避感に興奮を覚えるようになったオタクの強さというか人間の業とか欲の深さ、とてもいいなと思いました。