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マヨイガはあったけぇ(岬のマヨイガ 感想) 

岬のマヨイガ観ました。

面白いとかそういう感想ではなく、ただただ「あったけぇ……」が
一番の感想になったのは初めてかもしれない。
いい作品でした……。

映画館で流れる予告編では、いまいちどんな映画かわからなかったんですよね。
妖怪 VS 人間のバトルもの?と見始めるまで思ってました。
見始めてすぐに「あ、これ優しさ系だ」と気づき、シナリオが進むにつれて
あったけぇ度が増していき、そのまま最後まであったかかった。

マヨイガと聞くとえろげまなので、トノイケが頭に思い浮かんじゃう人です。
未完成だったり複数ライターで整合性無かったりとボロボロだけど、
Gardenがまさにマヨイガといった世界でした。
心に傷を負った主人公が全寮制の学園に入学し、箱庭的優しい世界の中で
心の傷を癒していくという感じです。

岬のマヨイガでは具体的にマヨイガというものが屋敷という形で出てきますが、
個人的にはマヨイガはあの屋敷だけでなく、町全体がそういったモノのように見えました。

もちろん、その根本にあるのはキトさんの全能的にも見える力と、
優しさによるものも大きいですが、
ことあるごとにユイを気に掛ける近所の人々だったりと、
ユイを囲む周りの世界がマヨイガとも言えるように見えました。
実際町の外(以前のユイの居場所)はとても冷たい場所だったようですし。

ユイとひよりを包み込むふしぎっとを含めた周囲の世界。
それがマヨイガだと言われても納得できます。

作中には各地に伝わる妖怪(ふしぎっと)が登場するので、
元ネタに色々あたっていくのも面白そうです。
途中お地蔵さまが飛んできてキトさんに怒られてるのは笑いました。
お地蔵様叱れるばあちゃん何者よ。

映画内では特になんでキトさんが、そんなにふしぎっとに慕われてるかといった
説明とかはなかったですが、原作読めばなんかわかるのかな。
ひよりがキトの立ち位置を受け継ぐみたいな話がでてきたので、
単に時間をかけてふしぎっとと関係を結んだ結果の立ち位置というだけの話な気もする。

また、キトさんが民話を語る時の作画すごかった。
絵巻物といった感じの和な作画で、めちゃ大変そうだなと思いました。
たしかにあの語り口で通常のアニメ調の絵だとミスマッチな気はするので、
とてもいい演出だと思いました。

あと忘れちゃいけないのがBGMめちゃよかった。
すげー印象に残る曲があったとかじゃないんだけど、
作品のあったかい雰囲気はBGMの効果もかなりでかいと思います。
主張は激しくないけど、ちゃんと登場人物の周りを演出してるBGMで、
BGMの大切さを知ることができる作品だと思いました。
シナリオ自体もあったかいけど、BGMもすごくあったかい感じしました。

映画のサントラ買うことってあんまない(サイダー~は買ったけど)ので、
続けてサントラ買うの久々な気がします。

「マジでヤバい」まではいかないけど、とてもいい作品でした。
おすすめです。