Happiness arises, radiating in vibrant hues.

『幸せが生まれ、鮮やかな色合いで輝く』ことを願う場所

『君は孤独じゃない』と歌えば孤独じゃなくなる世界だったらよかったね

ディア・エヴァン・ハンセンを観て、「根本的な部分がグロテスク過ぎる」が我慢できなかったので、吐く記事です。曲はよかった以外以降褒めないです。あとネタバレしかないです。

 

内容三行くらいで頑張ると

・特に仲良くなかった人間の親友に遺族に間違われるも否定せず親友エピソードを語る

・追悼集会でエピソードを話したらネットでバズる。クラファンもいい感じになる。

・遺族はネットで炎上し、エヴァンは親友じゃないことがバレる(バラす)


三行のうちの初っ端、そこまで知らない人間が自殺し、その遺族に親友だと勘違いされ否定しようとしていたけど、親友であると認めて素敵なエピソードがあったかのように語りつくし、そしてその妹にも「兄は君のことをこう語っていたよ。嫌ってなんかいないよ」と自身がその妹に抱いていた感情を兄のものとして語るという内容が、余りにもグロテスク過ぎて、もうなんも頭に入らなかったです。

このグロの上でそんな「君は孤独じゃないんだ」とか歌われても、「いや、お前それはそうかもしれんが、お前がやってることは全部死者への冒涜の上に成り立ってるぞ」としか言えない。
そんな死体の上で踊りながら綺麗なことを言われても、死体にしか目がいかない。

いくらシナリオでも、これはちょっとどう頑張っても受け入れられないです。
コナー(自殺した人)のありもしなかった姿が、知らない人ならまだしも、遺族という人間に事実として伝わり、遺族はそれを信じてエヴァンを息子のように扱ってるんですよ。
コナー、エヴァンが良い時間過ごすための物語上の出汁みたいじゃん。
コナーが今まで苦しんできた時間を全部エヴァンの嘘で塗りつぶした上で成り立ってるシナリオで、何を受け取ればいいんだ。

そして、中盤辺りでエヴァンに彼女ができるんですが、それがコナーの妹なんですよね。
この告白のシーンで「二人以外何もいらない」みたいなこと歌ってるんですが、なんかもうそこもグロすぎてだめでした。その関係、コナーとの嘘語りエピソードなかったら存在しないんだよ。コナーの死体の上で甘い時間過ごしてるのわかってるのか、エヴァン。

エヴァンはどうやら鬱と社交不安障害を持ってるようですが、過去の実感的にたぶんあんだけの嘘が広がりに広がってしまったら、たぶんバレる不安で、そもそもエヴァンのメンタル死ぬ気するんだけど・・・。個人差あるから、ここは突っ込んでも仕方ないところか・・・。

作中に出てくる普段まったくそんな素振りが見えない輝いている人が、抗うつ薬を飲み、そして「笑顔は偽ることができる」と歌うシーンはとてもよかったので、エヴァンとコナーが絡まないところはよかったという感想が正しいのかもしれない。エヴァンが絡まないところなんて、ほとんどないので結果的に評価は良いにはならないんだけど・・・。
歌の良さで色んなものを覆い隠そうとしたけど、あまりに根本的な部分がグロすぎて、隠せなかった。そんな感じです。