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ジャズの良さを思い出した日 (BLUE GIANTを観て)

BLUE GIANTを観ました。
めちゃくちゃかっこいい映画でした。ジャズの持つカッコよさや緊張感というものを存分に味わうことができる。そんな作品だと思います。私が観た映画の中では『坂道のアポロン』という実写映画が同じくジャズを扱っていて、BLUE GIANTとは違うジャズの良さを感じさせてくれたことを思い出します。

両作品ともジャズを扱っている作品となりますが、扱い方が少し異なっており、BLUE GIANTはジャズ一本で勝負という感じで、最初から最後までブレずにジャズの世界を生きている人間の姿。ジャズに憑りつかれ狂気の中にいるようにも見える姿が描かれています。坂道のアポロンはジャズは作中の要素の一つとなり、あくまでメインはキャラクター同士の人間関係が描かれています。

恐らく、この違いが両作品が観客へ与えるジャズの印象の違いに繋がるところもあるのかと思います。BLUE GIANTのジャズは先に書いたようにかっこよさ、そしてジャズの持つ緊張感や感情の圧のようなものを。坂道のアポロンはジャズの楽しさ、自由さを。

どっちの作品に優劣があるわけでもなく、そもそも実写とアニメという媒体の違いもあるため、単純に比較できるものではないですが、それでも今までジャズに触れてこなかった人がジャズの世界に踏み入る第一歩としてはとても良いものだと思います。
個人的には坂道のアポロンの方が実写であり、カジュアルな雰囲気で演奏シーンが入り、演者の表情や目配せ等の空気感を感じられるため、最初は良いのかなともちょっと思ったり。

語れるほどジャズは知らないですが、BLUE GIANTはやっぱり『上原ひろみの楽曲』という点はどうしてもあると思うので、スタンダードなものとはどうしても違う部分がある気がします。上原ひろみの曲は好きで、なんなら予告で上原ひろみの名前を見たから観に行ったという点も多少はある。んだけど、かっちりしたカッコよさだけでなく坂道のアポロンのような自由に自分たちが楽しむために演奏している姿というのも観てみて欲しいなとなんか思ってしまう。そんな感じです。

なんにせよ両作品ともとても素晴らしく、坂道のアポロンは邦画の実写映画では唯一BDを買っており、BLUE GIANTも原作漫画を読んだらもう一回は必ず観に行くと決めています。そういえばいつかブルーノート行きたいなと思っていて、未だにその夢叶えていないことも思い出しました。今となっては聴く頻度も減ってしまっていますが、やっぱりジャズっていいなと改めて思えるとても良い体験ができるBLUE GIANT。おすすめです。